親として知っておきたいアクティブ・ラーニングとこれから出来ること
テレビをつけると、CMなどで「2020年教育が変わります」とよく聞くようになりました。
これは2020年に一定の水準の教育を担保するため、教育課程を編成するときの基準である学習指導要領が変わるためですね。
しかし、既に教育は昔と大きく変わりつつあります。それは授業での「アクティブ・ラーニング」の導入です。
私達が子供の頃は、授業は先生が生徒あるいは学生に一方的に話をするだけでした。生徒は先生の板書をノートに写し、話がされたことをまとめ、メモする事が授業だった事が多かったかと思います。この時代の教育は、ひらすら暗記する事が重要だったのですね。
しかし、知識の定着化、思考力及び判断力を伸ばすことや、人間性の涵養が今の社会で働くには必要になっています。つまり単に暗記をして、それをアウトプットして評価される時代が終わりつつあるのです。
そのため、小学校から中学校・高等学校、さらには大学まで最近はアクティブ・ラーニングの導入がされつつあります。
では親として、アクティブ・ラーニングについて何を知っておけばいいでしょうか?
アクティブ・ラーニングとは?
アクティブ・ラーニングといっても定義は中々難しいです。例えば狭義だとグループワークなどのツールを指す事もあれば、広義だと先生が一方的に話をしない授業方法がアクティブ・ラーニングであると言う人もいます。
色んな説や定義がありますが、親として知っておきたいのは、アクティブ・ラーニングは生徒が主体的に行動し学ぶ事であるという事です。
そしてアクティブ・ラーニングは、主体的に動く・勉強する事により、知識を定着させるとともに、判断力など他の能力も伸ばす事が期待されています。
例えば、自分で学ぶだけより、自分で学んだことを誰かに教えるほうが知識の理解と記憶が定着する経験はありませんか?
アクティブ・ラーニングのツール
アクティブ・ラーニングというと、一番イメージしやすいのはグループディスカッションではないでしょうか。(最近はこのグループディスカッションを高校受験対策の学習塾でも一部採用しているところがあります)
十数年前から就職での採用試験にもグループディスカッションやグループワークが取り入れられているように、グループディスカッションは主体性が必要です。
また他にはこんなものがあります。
・1つの課題に賛成・反対に分かれて議論するディベート
・グループで取り組むグループワーク
・ペアで教えあうペア・ティーチング・
・学んだ知識をディスカッションやワークを通じてグループで一緒に(協働して)主体的に学ぶチームベースドラーニング、
・一つの課題あるいは問題にグループ等で取り組むPBL(プログラムベースドラーニングあるいはプロブレムベースドラーニング)
・学んだ専門的な知識をボランティア等に活かし、そのプロセスや結果を学びに活かすサービス・ラーニング
アクティブ・ラーニングの手法は様々ですし、これらのツールの難易度・レベルも違います。例えば専門的な知識がない小学生にPBLやサービス・ラーニングに取り組ませるのは難しいでしょう。
アクティブ・ラーニングの欠点
アクティブ・ラーニングは色んな効果や長所に注目がされがちですが、コミュニケーションが不得手な人には中々難しいという課題があります。
例えば、
他人と話をするのが苦手
自分が主体的に何かをするのが苦手
チームで活動するのが苦手
といった事があるとアクティブ・ラーニングは知識の定着どころか、逆効果でしかありません。
保護者としてアクティブ・ラーニング全盛期にできること
アクティブ・ラーニングを授業に取り入れる事は、多少は成績に影響する事があります。
そのため、子供にはアクティブ・ラーニングに適応できるように努力が必要となってきます。
例えば、
他人とコミュニケーションをする機会を増やす
褒めて自己肯定感を高めてあげる
チームでできるスポーツをやらせてみる
といった事があります。
また何かあっても親が全てやってあげるのではなく、「何故」を繰り返し、子供に常に考えさせ、考えていることを言語化させる訓練も常に心がけましょう。